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2018年03月11日

私たちの3月11日

ようこそ『寺嫁つれづれ日記』へkao1


今日は3月11日です。

午後2時46分に鎮魂の鐘を突き、本堂で手を合わせます。

私たちの3月11日


私たちのあの日。

当時、娘は小学校2年生で、下校中に地震が起きました。幸い娘は無事に帰宅しました。
私は酒田に出かけていて、以前職場でご一緒した先生とお昼ご飯を食べていました。
停電によってクレジットカードが使えないから現金で支払ってほしいそうですと、同じお店にいた外国人のお客様に説明して、急いでお寺に戻りました。

夫と生後10か月の息子はお寺にいました。地震が起きてから、夫はずっと息子を抱っこひもで抱っこしていました。
お寺はかなり揺れたそうですが、仏さまが倒れるなどの被害も、建物の破損もありませんでした。

私たちの3月11日



幸い、お寺にロウソクはたくさんありました。
しかし、度重なる余震で、燭台が倒れるのではないかと気が気じゃなかったのです。
お寺は木と紙でできているので、火事になったらあっという間だからです。


反射式ストーブがあったことに心から感謝しました。
電気とガスは止まりましたが、水が出ることにも感謝しました。
息子のミルクを作り、ストーブで離乳食を温められることに感謝しました。
日常が当たり前ではなく「有り難い」ことが、痛いほどわかりました。



古いお寺の建物は、もともと人が住む前提で建てられていないのだそうです。
それはつまり、収納がないことを意味しています。
タンスや棚などを部屋のあちこちに置いて暮らしていました。
それが倒れてくるのが怖くて、余震が続く何日も茶の間で家族みんなで身を寄せ合って寝ました。


日本海側の私たちでさえこんなに怖かったのだから、被災地の方はどんなに怖い思いをされたでしょう。

あの悲しい地震のあとも、いろいろな苦しみを抱えている方のお話を聞くことがあります。


「被災地で無事だったお寺は、被災したお寺に申し訳ないという気持ちがあります」


被災地の寺族さんが、苦しい胸の内を話しておられました。
無事でよかったのは間違いないけれど、無事もまた苦しい、という現実に触れて、私は言葉が出ませんでした。




息子は昨年、3月11日が保育園の卒園式でした。

私たちの3月11日



早生まれなら震災の年に生まれた学年です。
「卒園おめでとう」と言いたいけれど…と、心の中で正直ためらいました。

生まれてここまで成長してくれた。
そんな気持ちをこめておめでとうと言いたい、という言葉に涙が出ました。
保護者のみなさんも、同じ気持ちだったのではないでしょうか。



いまある私の命も、周りの人の命も大事にします。



私に命をつないでくれた両親、そのまた両親、先祖代々のみなさん。
夫の両親、そのまた両親、夫の先祖代々のみなさん。
私たちのもとに生まれてきてくれた二人の子供たち。
みんな「有り難い」存在でした。

私たちの3月11日


東日本大震災でお亡くなりになった方々、そしてすべての命のご冥福をお祈りいたします。




合掌



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Posted by チョコチョコ at 12:56│Comments(0)ひとりごと
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