2015年10月02日
【萬狂言】
ようこそ『寺嫁つれづれ日記』へ
9月28日 酒田市民会館「希望ホール」にて、【萬狂言】特別公演が上演されました。
その舞台に「松山子ども狂言の会」の子供たちが共演させていただきました。
これは本番前の練習風景です。
うちの娘は中学生ですが、他の子供たち7人は小学生です。
午前中は、松山城址館で狂言のワークショップをしてきたのだそうです。
基本的な所作を野村万蔵さんに教えていただきました。
あと少しで開場というギリギリまで、お稽古をつけていただきました。
本番はうまくいくかな〜、親たちはドキドキです。
これは、文化庁の文化芸術振興補助金を利用して開催された酒田市合併10周年記念伝統芸能フェスティバルなのだそうです。
今年は松山能、昨年は黒森歌舞伎でした。
「掛川」の一部を、松山子ども狂言の会の子どもたちが謡いました。
びっくりするくらいあっという間に終わってしまいました。
男の子が立ち上がるときによろけたのもご愛嬌。会場の空気も緩んで、思わずほっこりしました。
しみじみと感じました。
子どもたちのこのわずか数分のために、どれだけの大人が関わってくださったか。
子どもたちもCDで覚え、松諷社のかたも稽古や着付けをしてくださいました。
地元の子どもたちとコラボレーションするのは、手間もリスクもあるのに、すごいなぁ。
改めて、周りの支えがあってこそなんだなぁと実感です。
野村万蔵さんによる狂言の解説では、演者と観客の共通の約束ごとのお話がありました。
それは「想像すること」。
舞台にセットがないので、舞台を一周すると場面転換になるのだそうです。
そして、扇をのこぎりに見立て、「ズカ、ズカズカズカ」。
扉に見立てて「ザラ、ザラザラ」。
落語のおそばを食べるシーンでも、扇の使い方はおなじみです。
この解説はとてもおもしろく、わかりやすかったし、その後の演目の中にも出てきたので「これだ」と納得。
野村萬さんの「萩大名」のあと、松諷社と松山子ども狂言の会の子どもが共演した、野村万蔵さんの「釣針」。
水神と太郎冠者が、奥様を授けてもらおうと、西宮のえびす神社に参詣したら望みが叶う釣針を授ける夢のお告げがあった。見た目がよく、若い奥様を「釣ろうよ、釣ろうよ」と太郎冠者。
すると、みごと奥様が釣れて、使用人の腰元も釣れる。
この腰元を、松諷社と子ども狂言の会の子どもたちが演じたのです。
本来は、腰元は衣で顔を隠しながら舞台を去るのですが、野村万蔵さんのアイディアで、顔を見せて退場することになりました。腰元の最後は男の人だったので、まるでオチ。会場は大笑いでした。
太郎冠者も、自分の奥様を釣るのですが、おかめの面をつけた綺麗じゃない奥様が釣れて、太郎冠者は大慌て
なんだか昔から、人は見た目なのねと現実を見たような気がちょっとしました
安心して笑いの世界に入れる日本の伝統芸能っていいなぁ。
私は落語も大好き。いつか落語の傑作選CDを買いたい!と思っています。
今はTUTAYAでレンタルするだけなのですが…
はじめまして!
コメントありがとうございます。
素晴らしい狂言と、いつもの荘厳な松山能の世界に引き込まれました。
松山ならではの伝統芸能に触れる機会があって、子どもたちはとても恵まれていると感じます。
松山でも少子高齢化で過疎が進み、子供の数が減っています。なんとか松山子ども狂言の伝統を守ってほしい、と皆思っています。
次回は1月の「まつやま大寒能」です。毎月2回、夜の稽古をがんばっています。
