息子と私のネズミ事件①
ようこそ『寺嫁つれづれ日記』へ
2017年の7月に、「視点を変える」というテーマで、『農村通信』に掲載していただきました。
農業とはあまり関係がない私ですが、視点を変えてみようと思った経験を自由に書いてよいとのことで、本当に自由に書いたものです。
今回、(株)農村通信社様にご許可をいただき、ここに載せてみることにしました。
私はどのようなきっかけで視点を変えて見ようと思ったのか?
しばしお付き合いくださいませ。
「息子と私のネズミ事件」
ある日、自宅の玄関前にネズミの死骸が横たわっていた。
以前、家にいた猫の習性を思い出して、獲物を見せに来たのかと思った。
しかし待てよ、もう家に飼い猫はいない。
おかしいなと思いながら、子どもたちの目に触れないように素早く土に埋め、一応、手を合わせた。
私にとって、ネズミはお供えをかじって糞をする害獣だ。
ネズミが給湯設備のケーブルをかじって、お風呂に入れなかったことだってある。
それでも一応、手を合わせた。
ネズミが死んでいたよ。
でも、もういないよ。
どこに行ったんだろう?
小学1年生になったばかりの息子が言った。
私はもう土に埋めたよ、と言ったらすごくほっとした表情になった。
気持ち悪いものが片付いた安堵感、とは違うような気がする。
もしかして、もしかして…、
ネズミをあそこに置いたのは、もしかして…、
うん、僕だよ。
「息子と私のネズミ事件②」ヘ続く
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